2014年4月アーカイブ

正直グッとくるものが今のところあまりない今期アニメだったりするのですが、非常に良作なのが「一週間フレンズ。」。

「一週間で友達との記憶が消えてしまう」ため、友達作りや人付き合いを拒む女子高生、藤宮香織と、そんな彼女と友達になりたいと願うクラスメイトの主人公、長谷祐樹の二人が織りなすせつないお話です。

記憶喪失というと、あの「とらドラ!」作者の竹宮ゆゆこ先生のラノベ作品をアニメ化した「ゴールデンタイム」が前期に放映されていたりと、ある意味定番のテーマと言えます。

ただし、両作品ではストーリー展開が真逆といえます。

「ゴールデンタイム」は、事故をきっかけにそれまでの記憶の一切合切を失ってしまった主人公が、大学生活を送る中で断片的に蘇る記憶にどう向き合えばよいのか思い悩む様を描いた作品でした。

一方の「一週間フレンズ。」はヒロインの記憶が月曜朝に完全にリセットされてしまうため、毎週月曜日に友達になるところからやり直さなければならないというストーリー展開になっています。

ただし、忘れてしまう記憶は友達関係に限られています。

どういう記憶が消えるのかは、第1話で香織が祐樹にかなり具体的に伝えています。重要なセリフだと思いますので、ここで書き出してみます。

「私ね、楽しかった記憶、月曜日には消えちゃうの。楽しかった記憶だけじゃない、仲のいい人とか、もっと一緒にいたいって思える人の記憶が、一週間ごとに全部リセットされちゃうんだ。家族は例外だけど。だから私、友達との記憶がないの。」

覚えていたいのに祐樹のことを忘れてしまうことに心を痛める香織、それでも友達になりたいと願う祐樹、ふたりともが直球ストレートに青春しています。

現在2話まで観ましたが、2話ともウルウルときてしまいました。エンディングに、香織が歌うスキマスイッチ「奏(かなで)」のカバーを持ってきたところが、あざといといえばそうなんですが、セレクトとして120点だなと思います。こんなの持ってこられたら、そりゃぁ泣きますわ。号泣ですわ。

余談ですが、この曲、週間チャートで初登場23位という数字だったのが意外でした。

一方、オープニング曲を歌うのは昆夏美「虹のかけら」。一部で「オープニングもエンディング曲っぽい」などという意見も見られますが、これは作詞・作曲を川嶋あいが担当している影響もあるのかもしれません。そういえば2013年冬アニメ「琴浦さん」のエンディング曲も彼女が作詞・作曲を手掛けていましたね。

中の人での注目は、先生役の間島淳司でしょうか。間島淳司が先生役を演じる、となると、ついつい青木先生@こどものじかんを思い出しちゃいます。おそらく生徒たちのアシストをしてくれる立ち位置なんだろうなぁ、などと勝手に妄想していますが、さていかに。

ビジネス的な話をすると、前期に「未確認で進行形」を手掛けた東宝アニメーションが担当しています。東宝はここのところいい仕事していますな。売上的な部分はさておき「マジェプリ」も「\ファンタジスタッドー/」も個人的に好きな作品です。

もう1つ注目なのが、宣伝協力に「京王グループ」がクレジットされていること。前期「ディーふらぐ!」でも京王線とアニメ作品のコラボ(しかも車内に広告まで掲載されていた)が見られましたが、今回も何か展開があるのでしょうか。沿線住民としては目が離せないところ。既に2話では府中や聖蹟桜ヶ丘が描かれていましたから、期待は高まります。

いやぁ、原作買っちゃおうかなぁ、と思うほどに続きが気になる作品です。未見の方は是非。ニコニコ動画などでチェックできます。